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『エピソード1:レースクイーンに花束を』第5話

バツイチ37(batsu-ichi thirty-seven)
『エピソード1:レースクイーンに花束を』
※この作品はフィクションです。実在の人物・団体・事件などには、いっさい関係ありません




その時だ。
俺の至高のシャドウトークにノーサイドの笛が鳴らされた。

ピンポーン♪

まさに脳内トライ寸前だったのに‥‥
俺はちょっと不機嫌に立ち上がるとインターホンをとった。
「はいー」
「あ、花屋の竹ちゃんです。花束お届けに参りました」
「はいはい、今開けるから上がってきてね」

ドアを開けると竹ちゃんが入ってきて、でっかい花束を応接テーブルに置いた。
その花束のでかいことでかいこと。バラ100本位あんじゃね?
俺、確か50本位でって発注したような‥‥
つうか、これ何キロ?

「竹ちゃん、これでっかすぎない?」
「いやいや、内田さん。これくらいあったほうが絶対カッコイイですって」
「そうかなー?‥‥バラも多くない、これ?」
「ええ、花屋仲間に電話してざっと120本くらい揃えちゃいました」
「揃えちゃいましたって‥」
俺は生まれて初めて見る100本以上のバラの束にちょっと圧倒されていた。
ていうか、これ‥普通の人だったら普通に引いちゃいません?
俺は一般人だから引きましたよ。
だって、これ持って道歩くの恥ずかしいし。
もし俺がそんな人見かけたら指差して笑うね。うん、間違いなく。
「見て、見てぇ。あの人ちょーバラもってるんですけどぉ」
「オヤジ、くく、ウケル」
あー女子高生も笑いますよ。そうですよ。

「いやーでも内田さんって優しいっスよね」
大量のバラを前に固まってる俺を見てやばいと思ったのか竹ちゃんがすかさずフォロー入れてくる。
そんな優しさいらないです。俺、別に優しくなんかないし。
ていうか、返品ダメ出しの恐怖は自分で処理しましょうよ、竹ちゃん。
「いやいや、ウチのボスが感心してましたよ。きょうび誕生日にこんだけ豪勢な花束贈るなんて内田さんやるなって」


え?



ええ!?誕生日って何のことですか?
竹ちゃん、そのフォローまじ意味不明なんですけど。
これは美鈴ちゃんの魅惑の谷間に一本一本丁寧に活けようと思ってたわけで‥
それが今日の僕のある意味ゴールであるわけで‥
でもある意味、この花束は「美鈴‥‥こんな大きいのはじめてだもん‥‥」に繋がる正解ぽいわけで‥

「じゃ、代金はいつものように請求書で」
そう言って逃げるように立ち去ろうとする竹ちゃんを俺は呼び止めた。
「ちょっとちょっと。竹ちゃん、誕生日って‥‥誰の?」
「またまたー。美紀さん、下で待ってましたよ。あ、安心してくださいね。花束は見られてないと思うので、じゃっ」
すばやく会釈すると竹ちゃんはドアの向こうに消えた。
くっ、逃げやがった。
っていうか、花束見られてるとか見られてないとかそういう問題じゃなくてですね
つうか‥‥



え!?




ええええ!?まじですか?




俺は頭がどうにかなりそうだった‥‥催眠術だとか超スピードだとか、
そんなチャチなもんじゃあ断じてねえ。
完全にクラッシュして固まったんだ。

慌てるな、俺。お前ならこの状況に的確な判断が下せるはず。
おまえの職業はなんだ?恥ずかしがらずに声に出して言ってみろ。
「映像作家です、またの名を演出家ともいいます」
そうだ、お前は現場では監督って呼ばれてるんだろ?
オーガスタの風並に刻一刻と変化する現場の流れを即座に読みきって判断し現場を動かしていくのも重要なジョブスキルの一つのはずだ。
思考の停止は即現場の遅れにつながる。現場の遅れは予算オーバーの赤信号。
予算オーバーの責任をお前はそのやっこい背中で背負えるのか?
止まるな。動き続けるんだ。
そう自分に言い聞かせると俺は改めて現状の確認作業にはいった。

○状況確認
まず22時に俺は美鈴ちゃんの店「シャイナ」に行かなければならない。
そしてその後はムフフなアフターに突入しなければならない。
しかし美紀は今日誕生日だった。しかも退社して30分経つのにまだ下で待っている。
目的は不明だがおそらくタダ飯?「なんかパスタが食べたいなぁ」って言ってたしな。
この花束は請求書処理にされた為、後日美紀に発覚して怒られるのは間違いない。
そしてここからが最重要比較事項。
美鈴ちゃん推定Eカップ。美紀推定Aカップ。
美鈴ちゃんアフターあり。美紀アフター無し。

(計算中‥‥計算中‥‥)

○結論。
美鈴ちゃんとの楽しいアフター>>>>>(超えられない壁)>>>>>美紀の誕生日パスタ

俺の前立腺センサーは即座に正解を導き出したのだった。
よし。ここまでは間違いない。
嫁が夜逃げ同然でいなくなってから3年。
俺の修羅場回避スキルもようやくここまで戻ってきたって訳だ。
かつてIWGPヘビー級チャンピオン、ハルク・ホーガンが言ったといわれる言葉がある。
「男とは、歩く睾丸である」
俺は今一度この言葉を胸に刻み込むと大きく深呼吸した。
後は、このどでかいバラの花束を抱えていかに国境警備兵が巡回しているベルリンの壁を突破するかだ。
メタルギアソリッドで「フロッグ」の称号を得た俺のスネーク魂に火がつく。
しかし、ダンボールをかぶってこの青山の雑居ビルを脱出する訳にもいかない。
どうする?俺
どうすんのよー







つづく
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| 『episode1:レースクイーンに花束を』 | 14:43 | comments(0) | - | pookmark |

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